[特注家具 東京]
2023年08月13日
家に仏壇は必要か
家に仏壇は必要なんですか?ということはたまに聞かれます。で、個人的には「生きている人が納得できるならどちらでもいい」という考えです。
現在の仏教関係の話をちょっと。現在仏教徒が1番多いのは中国で2億4千万人。日本は2番目で、3番目が国教にもなっているタイで6千万人ということです。
その中で仏壇は日本のみが使用しています。けっこう意外ですね。
というわけでなんで日本には各家庭に仏壇があるのかという話になります。
現在は日本の宗教である神道とインド発祥の仏教は別物として認識されていますが、これは明治時代に「神仏分離令」が出されてからなので、それまでは平安時代からの神仏習合によって一部混ざり合った形で認識されていました。
つまり明治前までは日本の宗教=神道≒仏教という感じですね。
不確かでかなり独断と偏見が入りますが、安土桃山時代にポルトガル商船が日本人を奴隷として連れて行っているという問題がおこっていたそうです。ヨーロッパのキリスト教では奴隷として連れて行くのはキリスト教徒のみという取り決めを作っていたため日本人を奴隷として連れて行くためにはキリスト教徒にする必要がポルトガルや他の国にもあったんですね。きっと。
豊臣秀吉はイエズス会が長崎で要塞化して神社仏閣を迫害していたこともあり伴天連追放令をだし宣教師の追放と南蛮貿易の制限をかけました。
大名や一般人にもキリスト教徒になることに制限をかけています。とはいえ自分がキリスト教徒ではないという証明はなかなか難しい気もしますが、キリスト教は異教を認めていない為、仏教徒である=キリスト教徒ではないが成り立ちます。ただ仏教徒である証明をするには先祖の位牌のある菩提寺に証文を出してもらわなくてはいけないという問題があります。近くに菩提寺がない家もありますからね。ちなみに踏絵と寺請制度は江戸時代なのでもう少しあとの話です。
だいぶ端折りましたがこのころから仏壇というものが出てきました。
つまり仏壇は自分の家がキリスト教ではないということを表すためのものだったのではないかと思います。菩提寺が出す証文があればよかったのですが、このことがあってから自宅に仏壇を置く文化が一般家庭に始まりだしたようです。
まあ今となっては奴隷のこととかは過去の話なのでそんなに気にはならないのですが、今も仏壇があるのはそういう歴史を抜きにしても役に立つ部分があるからではないかと思います。本来の役割的には菩提寺に頻繁に行くことの方がいいのでしょうが、まあそれも好きに行けばいいのではないかなと。
私が思うに神棚は地域への感謝や日頃の行いの見直し、仏壇は亡くなった人や動物を思い出す接点なのでスマホの待ち受けやスクリーンセイバーなどでも一部分は役割を果たせると思っています。
お盆の時だけお墓参りに行って、初詣だけ年一で神社に行くのもまあまあアリなんじゃないでしょうか。本人の気持ちの問題ですね。無理にならない範囲でいいと思います。